低金利環境が続く中、日本の女性の投資への関心・投資意向は高く、こうしたニーズを充足すべき金融業界の課題が明らかに
グローバルな債券のアクティブ運用会社であるPIMCO (パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー・エルエルシー)は、女性投資家の影響力の高まりを踏まえ、女性投資家のニーズや資産運用に対する見方ついての理解を深めるため、2019年末に約1,500名の日本人(うち女性約700名)を対象に資産運用に対する意識調査を実施しました。当調査は、金融業界全体が女性投資家のニーズにどのように応えながら、貯蓄から投資への流れを後押ししていくべきかという課題を解決するための一助となることを目的としています。
PIMCOは投資家として注目されつつある女性のニーズと、それに応える戦略およびソリューションの提供をグローバルに支援するため、2018年に「女性と投資」というプログラムを開始しました。その一環として、2018年 3月に米国で1,500名の成人(うち女性約750名)を対象とする調査を実施しましたが、米国以外で実施する調査としては今回の日本での実施が初めてとなります1 。また、今回ピムコジャパンでは、新型コロナウィルスの影響で意識に変化があると考えられるいくつかの質問について、8月に追加調査を行いました 2。
女性投資家についての主な調査結果
- 経済的な成功に意欲的で、自分の資産管理を責務として認識:
— 79%が誰にも恥じることなく裕福になりたい、82%が経済面での成功が大切であると回答
— 多忙を極める中、4人のうち3人の女性がお金の管理は自分の責任のひとつだと考えており、35-44歳の女性のうち77%が投資は人生における選択肢を提供してくれるツールと回答 - 投資の必要性を理解し、強い目的意識を持つ:低リスク・インカム収入重視で生活の質(QOL)向上を目指す
— 71%が現預金の金利が極めて低い、または実質的にマイナスであることを理由に、投資の必要性を感じている
— 76%が目標達成に時間がかかっても、高いリターンよりも低リスクの投資を選択し、生活の質(QOL)の向上に関心、60%が安定したインカム収入が良いパフォーマンスの指標だと回答 - 女性投資家の投資を阻む障害:
— 32%が現金で資産を保有する理由として経済の先行きに対する懸念を挙げている
— 69%が現在の投資にかかる客観的な助言を得るのは難しいと回答
— 89%が投資には専門的な知識が必要だと感じていると回答
コロナ流行後に実施した調査の結果
- 日本経済が悪化する又は改善しないと考えている女性は、2019年の調査では74%であったのに対し、直近の追加調査では83%に増加
- 今後5年間で自分の金融資産が減少する、あるいは現状と変わらないと回答した女性は、2019年の調査では48%だったのに対し、直近の追加調査では60%となっており、新型コロナの流行を受けて自身の資産状況について楽観的に捉える女性が減少
今回の調査結果を受け、ピムコジャパンの日本における代表者兼アジア太平洋共同運用統括責任者である正直知哉は以下のように述べています。
「新型コロナの影響はあるものの、女性は引き続き投資に対して意欲的で高い関心を持っていることが明らかになりました。一方で、現在の金融業界の枠組みは女性のニーズやライフスタイルの現状を反映したサービスを十分に提供できていないという実態も浮き彫りになりました。本調査を踏まえ我々金融業界が対応すべき点として次の三点を挙げたいと思います。第一に、日本経済の先行きにあまり依拠しない投資戦略を選択肢として提供する必要があるということです。第二に、低金利環境が続くなか、インカム収入の創出を優先したいと考える女性投資家へ、それが実現できる債券や異なる資産クラスに投資する意味への理解を促進することです。そして最後に、時間的制約が多い女性投資家を鑑み、簡単に金融や投資について学べる機会やツールを提供することです。新型コロナの影響により金融業界でもデジタル化が進んでいます。PIMCOでも新しいテクノロジーを活用しながら、より一層女性投資家のニーズに応えていくべく支援を続けていきたいと考えています。」