アセット・ベースド・ファイナンス(ABF):分散効果と期待リターンを定量化する試み
要約
- アセット・ベースド・ファイナンス(ABF)では、住宅ローン、消費者関連ローン、データ・インフラをはじめとする実物資産を主な対象とします。2000年から2024年まで期間を対象に、PIMCOが「PME(パブリック市場等価)」の手法を用いて分析したところ、リスク調整後リターンは魅力的であり、企業向けのダイレクト・レンディングと比べて株式との相関が低いことがわかりました。
- ABFはダイレクト・レンディングに比べて割安で、流動性リスク・プレミアムが大きいため、推定リターンも高いと考えられます。
- PIMCOでは、ABFのメリットとリスクを効果的に定量化するリスク要因の枠組みを整備し、それを用いて既存の保有資産との相互作用を理解したうえで、最適な資産配分を決定することを提案いたします。
- ABFのリターンは景気の循環に左右されにくく、不安定な経済環境においてポートフォリオの安定性を貢献する可能性があります。伝統的な資産クラスとの相関が低いリスク要因を内包するため、企業向けダイレクト・レンディングへの投資を補完する効果が期待されます。
アセット・ベースド・ファイナンス(ABF)とは、実物資産を担保とする投資の総称であり、機関投資家や富裕層の間で人気が高まっています。金融規制の強化や金融環境の逼迫を受けて、伝統的な銀行が貸し出し業務を縮小する一方で、ノンバンクの金融機関は、住宅ローン、消費者関連ローン、航空機ファイナンス、データ・インフラなどのセクターにおいて資金を提供する機会を捉えています。市場規模は20兆ドル以上と推計され、プライベート・クレジットの投資家は非常に魅力的な投資機会を享受しています(PIMCOが2024年12月に公表した「オルタナティブ投資展望『プライベート・クレジット:変わる融資環境、存在感増すアセット・ベースド・ファイナンス』」をご参照ください)。
ABFの潜在的な魅力は、分散効果の向上、不安定な経済環境における下支え効果、魅力的なリターンであるとPIMCOは考えていますが、多くの投資家は、このような魅力を効果的に評価するために必要となる強固な枠組みを備えていません。したがって、リスクを評価し、既存の保有資産との相互作用を理解し、最適な資産配分を決定することが難しい課題となっています。
このレポートでは、ABFファンド用のPIMCOの「PME(パブリック市場等価)」ベンチマークとリスク要因モデルを紹介します。パフォーマンスの評価、リスクの測定、ポートフォリオの効果的な構築に向けた最適な資産配分戦略の策定を目指します。
実績の評価:歴史的にABFは優れたリスク・リターン特性を有する
PIMCOが採用する手法では、パブリック市場で取引される証券化商品のリターンを、一般的なABFファンドの特性(信用力、レバレッジ、金利リスク、スプレッド・デュレーション)を反映させて調整することによって、PMEベンチマークを設定します。ダイレクト・レンディングのファンドよりも平均的な信用力が高い一方で、(レバレッジ適用前の)利回りが低い点を踏まえて、プライベートABFファンドでは比較的高い水準のレバレッジの適用を想定します。具体的には、PMEのプロキシ(代理変数)として、ABFの場合はパブリック市場で取引される資産担保証券(ABS)と住宅ローン担保証券(RMBS)の1.25倍、ダイレクト・レンディングの場合はレバレッジド・ローンの0.75倍のレバレッジをそれぞれ適用します1。
PMEのリターンに対する過去データ分析では、ベータのリターンに重点を置き、プライベート戦略において見込まれるパブリック市場対比の追加的なリターンは考慮に入れていません2。図表1は、ABFのリスク調整後ベータ・リターンを示したものであり、特に世界金融危機の期間において、単独ベースでもダイレクト・レンディング対比でも、その優位性が確認できます。
また、金利が上昇し相関が高まる傾向がみられた過去3~5年間においては、ABFプロキシはパブリック市場のダイレクト・レンディング・プロキシを小幅にアンダーパフォームしました。その要因として、クレジット・スプレッドが縮小するなど、企業クレジットの市場環境が良好であったことが挙げられるでしょう。さらに、ABFのストラクチャード・クレジット商品としての構造的なパフォーマンスは堅固だったものの、市場金利の上昇が価格を下押ししたことも一因と考えられます。今後については、市場金利の安定局面において、ABFの中程度のデュレーションが有利に働く可能性があり、また、クレジット・スプレッドの変動に対して分散効果を発揮する本来の役割が復活することも考えられます。
一方、パブリック市場で取引される証券化商品とバンクローンに関しては、リターンの分布がいずれも負の歪度を示し、左に歪んだ分布となっています3。クレジット・ポートフォリオの構築に際して、ボラティリティ以外の追加的なリスク要因を検討する場合、この点を考慮する必要があります。興味深い点として、ダイレクト・レンディングに比べてABFのベータは株式やハイイールド債との相関が低く、コア債券との正の相関が強くなっています。
リターン予測の枠組みを備えたフォワード・ルッキングなABFモデルの開発
過去のデータより、ABFが魅力的なリスク・リターン特性を有していることが確認されたので、次に、現在のバリュエーションと今後のリターンの見通しに注目します。ここでは、ABS市場を全体として捉えるのではなく、より細分化した視点から、消費者関連ローン、非消費者関連ローン、各種資産担保クレジット、住宅ローンというセクターごとに、固有のABFリスク要因を導き出しました。ABFの主要な資産タイプを含む10種類のインデックス4を対象に、20年以上にわたるクレジット・スプレッドの月次変化のデータを分析しました。消費者関連の分野では、学生ローン、クレジットカード、自動車ローンを、非消費者関連の分野では、航空機、公益事業、設備を網羅しています。
また、各種ABFのプロキシとして、音楽著作権、データセンター、インフラ、売掛債権、フランチャイズ・ローン、住宅ローンを分析の対象としました(詳細は付録参照)。その一方で、パブリックなストラクチャード・クレジット市場の大半を占めるAAA格のABSに関しては5、プライベートABF戦略の対象とするにはリターン、リスクとも全般に低すぎるため、分析の対象外としました。
投資適格債市場、ハイイールド債市場のいずれにおいても、企業クレジットのスプレッドが過去最低に近い水準で推移する環境において、証券化商品はわずかながら高いリターンを提供します。リターンの予測に際して、PIMCOが資本市場の見通しを決定する際のプロセスに類似する、リスク要因に基づく手法を採用しました。企業クレジットのスプレッド(ICE BofA米国ハイイールド債インデックスなど)が過去最低の水準に近づいているため、今後5年間に平均回帰の動きが生じることで時価評価の損失が発生し、クレジットの超過リターンは国債対比のイールド・スプレッドが示唆するよりも小さくなると予想しています(図表2参照)。
キャリーと平均回帰の動きに起因する価格変動の影響に加えて、社債市場とABS市場における長期の平均デフォルト損失(格付け別)を考慮しました。また、レバレッジ・コストとして、米国金融債(ABFについてはA格、ダイレクト・レンディングについてはBBB格)のクレジット・スプレッドをプロキシとして用いました。さらに、ABFモデルにおいて、3年分の金利のタームプレミアム、運用会社のスキルに由来する追加リターン、流動性リスクおよび(仕組みの)複雑性リスクの代償としてのプレミアム(平均的なプライベート・クレジット・ファンドの分析に基づく)を考慮しました6。
アルファやデフォルト損失に関する仮定を必要としない代替の手法では、パブリックとプライベートの両市場における信用力が同等の資産のクレジット・スプレッドを比較します。PIMCOでは、以前にも指摘したように (経済・市場コメント『パブリック/プライベート両方のクレジット市場の現状:流動性、リスク、潜在的なリターン』」を参照)、相対的に流動性が低いプライベート投資においては、200ベーシスポイント(bp)程度の超過プレミアムが上乗せされるだろうと考えます。アクティブ運用に期待されるアルファ獲得機会の喪失、リバランスができないために生じるオポチュニティー・コスト、想定外の流動性ニーズに起因する資金不足のリスクといった投資家のデメリットが、このプレミアムによってカバーされます。
直近のABF案件のスプレッド水準(300~450bp7、レバレッジ適用なし)をベースにすると、プライベート市場のABSスプレッドは、パブリック市場よりも240bp程度8大きいと推測されます。一方、企業向けのダイレクト・レンディング市場では、最近組成された案件のスプレッドは425~550bp程度9であり、この2年間にタイトニングが大幅に進んだため、歴史的にタイトな水準で推移しています。B格のレバレッジド・ローンを比較対象とすると、プライベート市場の上乗せスプレッドは平均70bp程度であると推測されます10。
このため、ABFの投資家は、流動性リスクと複雑性リスクを引き受ける代わりに、企業クレジット案件に投資する場合よりも170bp大きいプレミアムを獲得できる可能性があると考えられます。ABF市場では、精緻な案件審査に必要なソーシング、オリジネーション、データ、アナリティクスのインフラの違いが参入障壁となり、投資機会はより大きく多様であるとPIMCOでは考えています。銀行が規制資本の効率化を目指す動きを背景に、銀行とプライベートABFの投資家との間で、パートナーシップ型のモデルへと移行する動きが広がりつつあります。このような協調的なアプローチは、企業クレジット案件をめぐる従来の直接的な競争モデルに取って代わるものです。
ABFがもたらす分散効果
PIMCOの精緻なモデリングによって、ABFという資産クラス内部の相関の関係と、ABF全体のリスク要因と他のリスク要因(ハイイールド社債など)との相互作用を評価することが可能になります。消費者関連ローンABF、非消費者関連ローンABF、各種ABF、住宅ローンABFのクレジット要員の相関係数は平均で0.55程度にすぎず、多様なリスクが内包され、重複が限定的であることが示唆されます。このようにリスク要因の分散度が高く、その結果としてボラティリティが抑制されていることが、ABFのベータのシャープレシオの魅力を支える主な要因であると考えられます。
ABF(レバレッジ適用)とダイレクト・レンディング(レバレッジ適用)のPMEの相関係数が0.61であるということは、両者のトータルリターンの分散が相応に高い可能性を示しています。
図表3は、金利変動などの要因を除外して、ABFとハイイールド債のクレジット・リスクの連動性をリスク要因の観点から評価したものです。全期間を通じて、ABF全体とハイイールド債のリスク要因の相関係数は0.59であり、分散効果が十分に期待される様子がうかがえます。ハイイールドの企業クレジットのポートフォリオにおいて、ABFが長期的に高い分散効果をもたらすことは事実ですが、クレジットや株式に関連するほとんどの要因と同様に、ストレス期には相関が高まりやすいことに留意することが重要です。一例を挙げると、ハイイールド債のスプレッドが50bp以上拡大する数ヵ月間において、ABFとハイイールド債の相関係数は0.83にまで上昇します。
ダイレクト・レンディングを補完するABFの役割
プライベート市場には時価評価の慣行が存在しないため、変動の平坦化バイアスが生じて、ボラティリティが低いという誤解を招く可能性があることは広く認識されています11。オルタナティブ投資は、(流動性の高い)パブリック金融市場に影響を及ぼすものと共通する多くのリスク要因の影響を受けるため、PIMCOでは、「真の」リスク評価を目指したリスク要因・モデルを開発することによって、ボラティリティの報告値の下方バイアスに対応しています。
図表4で示したABFモデルとダイレクト・レンディング・モデル12を用いることで、伝統的な資産クラスと一貫性を確保した上で比較することが可能になり、マルチアセット・ポートフォリオをパブリックとプライベートの両市場において最適化する際に有益であるとPIMCOは考えます。ABFを構成するリスク要因の間の分散は明確ですが、その一方で、ダイレクト・レンディングに関しては、ボラティリティの構成要素として、ハイイールド社債のスプレッドと流動性リスクが大きな割合を占めています。
ABFはダイレクト・レンディングよりもクレジット・スプレッドのデュレーション(レバレッジ適用)が大きいのに対して、ボラティリティと株式ベータは低くなると見込まれます。ABFのボラティリティが低い要因は、スプレッド・デュレーション1単位当たりのボラティリティがハイイールド社債のリスク要因よりも低いことと、ABFのさまざまなクレジット・リスク要因を組み合わせることで得られる相関の効果にあると考えられます。すでにダイレクト・レンディングのポジションを保有している投資家にとって重要なのは、これら2つのプライベート・クレジット戦略を組み合わせることによって、パフォーマンス向上の可能性があるという点です。ABFとダイレクト・レンディングを均等に組み合わせた仮想のポジションは、ダイレクト・レンディング単独のポジションと比較して、リスク調整後リターンが約22%向上し、株式ベータが12%低くなると考えられます。
ストレステストの結果はABFの強靱性と上昇余地を示唆
ファンダメンタルズに関連するいくつかの要因から、市場の下落局面においてABFはダイレクト・レンディングよりも強靱性を発揮する可能性が示唆されています。借り入れコストの上昇と財務制限条項の緩和を受けて、市場参加者の間では、デフォルトしたローンの回収率が低下するとの見方も聞かれます。これに対して、プライベートABF案件では、多くの場合、実物資産が担保であり、大規模なローン・プールに内在する分散効果の恩恵を享受します。また、投機的階級の企業債務よりも一般に信用力が高く、景気サイクルの影響を受けにくい強靱な分割返済条項が組み込まれています。
PIMCOが実施したストレステストでは、ABFの場合、スプレッド・ファクターが多様であり、デュレーションが比較的短く、非企業リスクに重点が置かれているため、景気後退ショック時の下落幅が45%程度抑えられる可能性が示されています。もっとも、債券市場と株式市場が同時に下落するシナリオでは(スタグフレーションなど)、ABFがダイレクト・レンディングを大幅にアウトパフォームすることは想定していません。
また、経済成長が予想を上振れするシナリオにおいても、ABFはダイレクト・レンディングをアウトパフォームする可能性があります。その理由として、(レバレッジ適用後の)スプレッドの変化に対する感応度が高いことや、パブリックとプライベートの両市場において、現在の企業クレジットのスプレッドがタイトであることが挙げられます。ストレステストでは、クレジット・スプレッドが過去最低の水準を下回らないことを前提としているため、ストラクチャード・クレジットに比べて企業クレジットのスプレッドは、タイトニングの余地が小さいと考えられます。
結論:ABFはポートフォリオ全体のリスク調整後リターンを押し上げる可能性を秘める
PIMCOでは、過去データと現在のバリュエーションに基づき、プライベートABFファンドのリターンはダイレクト・レンディング・ファンドを上回る可能性があると考えています。また、ABFはレバレッジ型のダイレクト・レンディングや株式市場に比べて景気の影響を受けにくく、景気循環性が低いと想定しています。
他の資産クラスと比べた場合、ABFという資産クラス内で分散効果が期待されるため、プライベート市場のポートフォリオのみならずマルチ・アセット・ポートフォリオにも、有益な付加価値をもたらすと考えられます。投資家は戦略的にABFを取り入れることで、ポートフォリオ全体のリスク調整後リターンを向上させつつ、プライベート・クレジットへのアロケーションを合理的に拡大することが可能になります13。
付録
追加の技術的詳細
サブセクターABSのベンチマークにおいて十分な分散を図るため、毎月の構成銘柄数の下限を30銘柄に設定しています。
サブセクターABSについてAAA格以外のインデックスが存在しない場合、AA-BBB格とAAA-BBB格のABSインデックスの経験的な関係に基づいて、AAA-BBB格のインデックスのスプレッド変化を応用しています。
リスク・モデルでは、ABFについて、レバレッジを適用しないベースのスプレッド・デュレーションを3年と想定しています(レバレッジの水準が125%という前提で、スプレッド・デュレーション=6.75年に相当)。これは、独自のプライベート案件サンプルにおける代表的な条件であると考えます。参考までに比較すると、2024年12月31日時点で、ICE BofA AA-BBB米国ABSインデックスとICE BofA米国ハイイールド債インデックスのスプレッド・デュレーションは、それぞれ3.16年、3.10年でした。
このモデルでは、ABFファンドの加重平均年限に関する想定と、プレキン社がPMEベンチマークについて報告するプライベート・デット市場全体の追加リターンの分布に基づいて、流動性リスクと個別性リスクに関連する調整を加えています。4つのABFセクター・モデルの個別性リスクを組み合わせる際に、相関がないと仮定する代わりに、4つのABFファクターの相関と同一の相関構造を保守的に反映させています(各ペアの相関は平均0.55程度)。
参考文献
Baz, Jamil, Davis, John, Han, Lloyd, and Stracke, Christian. 2022. “The Value of Smoothing.” The Journal of Portfolio Management.
Baz, Jamil, Han, Lloyd, and Loo, Marc-Antoine. 2024. “Three Models of the Liquidity Premium.” SSRN Electronic Journal. https://doi.org/10.2139/ssrn.4790409.
Block, Joern, Jang, Young Soo, Kaplan, Stephen N., and Schulze, Anna. 2023. “A Survey of Private Debt Funds.” NBER Working Paper No. 2023-10. http://www.nber.org/papers/w30868.
Pedersen, Niels, Page, Sébastien, and He, Fei. 2014. “Asset Allocation: Risk Models for Alternative Investments.” Financial Analysts Journal.
著者・出演者
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