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経済・市場コメント

インカムとレジリエンスの両立

投資開始時の利回りが上昇するなか、グローバル債券市場全体で投資機会が広がっています。グループ最高投資責任者(CIO)のダニエル・アイバシンが、不確実な環境下でポートフォリオのレジリエンスを高めるうえで、クオリティ、流動性、グローバルな分散が重要となり得る理由と、リスクを積み増すことなく、魅力的なインカムの獲得をどのように追求しているかについてご説明します。

プリーナ・グプタ(債券ストラテジスト、以下プリーナ):ダン、今の環境では、追加的なリスクを取るよりも、レジリエンスが重要となり得ます。投資家が不確実性を乗り切るのを支援しながら、魅力的なインカムを追求するため、大局的な観点からポートフォリオをどのように構築していますか。

ダニエル・アイバシン(グループ最高投資責任者CIO)、以下ダニエル):ここ数カ月の金利上昇に伴い、ポートフォリオ全体のデュレーションを長期化しています。ただし、これは米連邦準備制度理事会(FRB)の政策を見越したポジションではありません。債券市場の投資価値が大幅に高まっているとの認識に基づくものです。

質の高い債券の利回りは、過去約20年で最も高い水準の一つにあります。

そこで出発点となるのは、魅力的なリターンを追求するために、将来を正確に予測する必要はないという考え方です。魅力的で分散されたグローバルな投資機会を活用することで、パッシブ運用を上回る追加的なリターンの獲得を目指します。

プリーナ:グローバル市場、特に新興国市場では、現在どのような投資機会に最も注目していますか。

ダニエル:限定的な通貨エクスポージャーや新興国への投資など、グローバルな分散を図ることで、ポートフォリオ全体のレジリエンス向上につながると考えています。また、スプレッドが極めてタイトな水準にあり、市場の一部でリスクに対する警戒感が依然として乏しいなか、単に社債をオーバーウエイトする場合に比べ、魅力的な利回りの上乗せが期待できる場合が多いと考えています。

もう一つ、魅力が高まっているのは、ダイレクト・レンディングやプライベート・クレジット市場で生じているひずみやストレス、流動性ニーズを捉えた投資機会です。多くのプライベート・クレジット運用会社が新規案件への取り組みに慎重になり、つい数四半期前までのようには案件に資金を提供できなくなるなか、足元では案件の持ち込みが大幅に増えています。こうした案件の中には、CLO(ローン担保証券)分野の、よりクオリティの高い投資機会も含まれます。

したがって、ストラクチャード・クレジットのポジションは引き続き魅力的だと評価しています。これらは信用力の面で安定性を維持し、ポートフォリオを下支えする役割を果たすとみています。一方、その周辺の資産では割安感が強まり始めており、中には大幅に割安な水準にあるものもあります。

プリーナ:現在の債券市場は、ほんの数年前とは大きく様変わりしています。こうした環境下で、投資家はポートフォリオにおける債券の役割をどのように考えるべきでしょうか。また、今後、質の高い債券には、リターンとリスクの両面でどのような特性が期待できるのでしょうか。

ダニエル:現在の債券市場を見ると、名目利回り、つまり利回りの絶対水準で見ても、インフレ調整後のいわゆる実質利回りで見ても、ここ数年で最も魅力的な水準の一つにあるとみています。絶対水準で見て魅力的なだけでなく、現金と比べても魅力があり、さらに株式のバリュエーションと比べると、極めて魅力的な水準にあると考えています。

長年にわたり、投資開始時の利回りがおおむね期待リターンの目安になるという見方が、投資家の間で定着していました。

PIMCOでは、投資開始時の利回りは、むしろ期待リターンの下限に近いものだと捉えています。また、市場の中でも流動性の高いセグメントにおいて、十分な分析に基づき、慎重かつ柔軟な資産配分を行うことで、現在は再び、リターン創出の魅力的な機会が広がっていると考えています。

しかし、より広い視野に立ち、現在の市場環境で期待できる魅力的なインカムや質の高い投資機会を柔軟に活用することで期待できるリターンに目を向けると、忍耐強い姿勢を保つことで、ポートフォリオ運用において、利回りがリターン創出の中心的な役割を果たすことが期待できるとみています。

ご留意事項:

2026年7月16日収録

本動画はウェブキャストの内容を抜粋したものであり、情報提供のみを目的としています。また、全ての投資家に適しているとは限りません。本動画に含まれる情報は、個別の財務状況またはニーズに基づくものではなく、予測、リサーチ、投資助言、あるいはPIMCOまたはその他の特定の有価証券、戦略、商品もしくはサービスに関する推奨を意図するものではなく、そのように解釈されるべきものでもありません。債券は、投資家のポートフォリオを構成し得る資産の一つにすぎず、ポートフォリオには株式その他の商品も含まれる場合があります。過去の運用実績は、将来の運用成果を保証するものではありません。全ての投資にはリスクが伴い、価値は下落する場合があります。投資家は、ご自身の財務状況及び投資目的に照らして適切と考えられる資産構成について、ファイナンシャル・アドバイザーにご相談ください。

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全ての投資にはリスクが伴い、価値は下落する場合があります。債券市場への投資は、市場、金利、発行体、信用、インフレおよび流動性等に関するリスクを伴います。ほぼ全ての債券および債券戦略の価値は金利変動の影響を受け、一般に金利が上昇すると債券価格は下落します。デュレーションの長い債券は、より短期の債券と比較して金利感応度および価格変動性が高い傾向があります。低金利環境下ではこれらのリスクが高まる場合があります。債券取引におけるカウンターパーティーの取引能力の低下は、市場流動性の低下や価格変動性の上昇をもたらす可能性があります。投資元本は保証されず、換金時の受取額が当初元本を上回る場合も下回る場合もあります。外貨建てあるいは外国籍の証券への投資は、投資対象国の通貨価値の変動や経済及び政治情勢に起因するリスクを伴うことがあり、新興成長市場への投資ではかかるリスクが増大することがあります。為替レートは短期間に大幅に変動する可能性があり、ポートフォリオのリターンを低下させる場合があります。モーゲージ担保証券及び資産担保証券は、金利水準に対する感応度が高い場合があり、期限前償還リスクを伴います。また、発行体の信用力に対する市場の認識に応じて、その価値が変動する可能性があります。一般的には政府または民間の保証機関による何らかの保証が付されていますが、民間保証機関が債務を履行する保証はありません。ジニーメイ(GNMA)が発行する米国政府機関モーゲージ担保証券は、米国政府の全面的な信用により保証されています。フレディマック(FHLMC)及びファニーメイ(FNMA)が発行する証券については、元利金の適時支払いが各機関により保証されていますが、米国政府の全面的な信用による保証は付されていません。CLO(ローン担保証券) は高いリスクを伴い、適格投資家のみを対象として販売されるものです。CLOの分配金額(分配が行われる場合)は、ローンの購入時期、裏付資産の元本返済または分配の割合、代替となる裏付資産への再投資の時期、再投資時に適用される金利など、さまざまな要因の影響を受けます。CLOの劣後トランシェへの投資は、裏付資産に対するレバレッジの極めて高い投資となることが多く、CLOの他のトランシェに損失が生じない場合でも、投資価値の全てまたは相当部分を失う可能性があります。CLOは一般に流動性が低く、保有者は有利な時期または価格で売却できない場合や、売却そのものができない場合があります。また、CLOには、信用、デフォルト、流動性、運用、価格変動性、金利などに関するリスクが伴います。ハイイールド証券などの格付けの低い証券は、格付けの高い証券よりも大きなリスクを伴います。こうした証券に投資するポートフォリオは、投資しないポートフォリオに比べ、より高い信用リスク及び流動性リスクにさらされる可能性があります。株式は、市場全般、経済及び業界の実際の状況や、こうした状況に対する市場の認識によって価値が下落する場合があります。デリバティブには、流動性、金利、市場、信用、運用に関するリスクや、最も有利な時期にポジションを決済できないリスクなど、一定のコスト及びリスクが伴う場合があります。デリバティブへの投資では、投資額を上回る損失が生じる可能性があります。マネジメント・リスクとは、運用会社が用いる投資手法及びリスク分析が望んだ結果を生まないリスク、また、政策や変更等が戦略の運用において運用会社が利用可能な投資手法に影響を及ぼしうるリスクを指します。分散投資によって損失を完全に回避できるわけではありません。

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